|

「銀嶺に向かって歌え クライマー小川登喜男伝」深野稔生

銀嶺に向かって歌え-クライマー小川登喜男伝-:深野稔生

2013/みすず書房

「行為なくしては山はない。情熱なくしては、いかなる偉大なことも起こりえない。山への情熱は、山に行くことのうちに純化されるだろう。」

このブログでは珍しく、新刊を紹介します。
昭和初期を代表する伝説的な天才クライマー・小川登喜男の評伝。労作、力作です。実にイイ仕事しています。新刊を手に取ってドキドキするのはずいぶん久しぶりのことだ。まさか、いまごろになってこういうものが出るとは夢にも思わなかったので驚きです。氏については、登攀史における初期の最重要人物にもかかわらず、著作もなく、現存する資料も少ないことから実像がよくわからなかった。一般的にわりと詳しく研究・紹介されたのは、雑誌『クライミングジャーナル』創刊号での、遠藤甲太氏による“クライマーの系譜 第1回 「クライマーの先駆・小川登喜男」”くらいじゃなかったかと思う。
実はまだ本書を読んでいないのですが、パラパラとページをめくり、目次に目を通したかぎり、未公開の写真も多く、初めて発見された貴重な資料や報告も多数掲載されているようでとっても楽しみです。なんだか、すぐに読んでしまうのがもったいない。じっくりと時間をかけて読んでみたい一冊。

これは、クライマーはもちろん、全山岳関係者必読の書だ。読むべし!

 

類似投稿

2件のコメント

  1. 玉ちゃんに教えてもらって、すぐに購入。
    天才クライマー小川登喜男。
    そのトキ坊や東北帝大の仲間たちとの時間が丁寧に丁寧に綴られている。
    一気に読んでしまうにはもったいなさすぎる。
    数日かけて少しずつ大切に読みました。
    本を読みながら、自分もトキ坊や仲間たちとともに楽しく過ごした毎日。
    それなのに、突然終わりが来てしまった。
    わかっているはずなのに、とてもショックだった。
    岩壁の基部から「トキ坊~!」って叫びたくなったよ。
    やっぱり、トキ坊はすごいし、仲間たちも素晴らしい。
    今まで以上に小川登喜男が好きになる本。
    まさに渾身の一冊。

  2. 私も一気に読んだらもったいないと思いながら読みました。
    今まで評伝の類が世にでないのが不思議なクライマーでしたが、やはり研究者はいたのですね。
    深野さんが出すとは驚きましたが、ただ私が知らなかっただけのようでした。
    ちょつと残念なのは年譜がないことです。
    一目で偉業を解かるように自分で書き出しています。
    もっと知りたい面もありましたが、評伝という形では無理なんでしょう。
    小説にしたら面白そうな人物かもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です